大きな凹みも部品交換せずに板金で格安修理(ダイハツ・ミラ)

福山市より女性のお客様から最初電話で問い合わせを受けました。
バンパーにかなり大きなへこみがあるそうで、デーラーに行ったら交換と言われたらしく「交換ならどれくらい修理費用がかかりますか？」との事でした。
私の経験上損傷したバンパーが修理可能かもしれないと思い、交換が必要か見てから判断した方がアドバイスしやすいと説明してわざわざご来店いただきました。
実際に損傷箇所を確認したところ交換せずに修理可能と判断し、ご説明すると「デーラーでは交換と言われたのに、これが直るのですか？」と不思議がってました。
交換は部品代と工賃がかかり高いので「安く直るのであれば修理でお願いします」と、ご依頼を受け、早速修理しました。

▼フロントバンパーの右側が大きく凹んでいます

バンパーは樹脂でできているので、熱を加えて内側から押し出すとヘコミが直ります。

▼ドライヤーで熱をかけているところ

▼内側から押し出したり、ハンマーで叩いて元の形に形成します。

ある程度凹みを引き出したら、次にパテという粘土状の物を塗ります。
パテは乾燥すると収縮して固まります。
その後研磨することによって元の形状へ近づけます。

▼パテを塗った状態

▼パテが乾燥したら、表面が滑らかになるように削り、整形します。

次は上塗り塗装の下地となるサフェーサーを塗ります。
サフェーサーはパテのスプレー状の様なもので塗膜の硬度を上げ、水を通しにくくするため防水・防錆効果があります。
また、上塗り塗装の仕上がりも良くなります。
サフェーサーも乾燥後、表面をサンドペーパーで研磨して整えておきます。

塗装ブースへ移動し、上塗り塗装に入ります。

上塗り塗装は、ゴミ・ホコリがなるべくつかないよう「塗装用ブース」の中で行います。
調色した塗料をスプレーガンという器具にいれて上塗り塗装します。
塗料がかかっていけない部分はマスキング（養生）をします。
一度にべったりと塗装せずに、数回にわけて塗装します。
最初はパラパラ塗装することで、ハジキなどを防ぎます。
サフェーサーの色をきちんと隠し、またムラが出ないように慎重に塗装していきます。

最後に、透明なベースと硬化剤を混ぜてクリア塗装します

塗装が乾燥したら洗車と車内清掃を済ませ、お引渡しとなります。

▼綺麗に仕上がりました！

完成後こうやって直すのですよ、とタブレットの画像見せながらご説明。
お客様より「修理後のバンパーだけみれば直ってるって思うだけですが、こうやって工程みればすごい技術なんですね、初めてどうやって直すのかわかりました」と、関心され「問い合わせしてよかった！」と満足されて後にされました。
私も今回修理させて頂き、なおかつ鈑金業界の仕事ぶりをお伝えできて嬉しかったです。
ありがとうございました。

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